【家族信託をご検討なら必見!】家族信託の手続き一覧と注意点

query_builder 2020/07/01

家族信託の手続き

時系列に並べていますので、この通りに進めていけば家族信託の手続きをトラブルなく進められる可能性が高まります。
逆にしっかりとした順序を踏まえないと後々トラブルが起こるリスクもありますので、以下のおポイントをしっかりと抑えておきましょう。

(1)家族信託の目的と内容を話し合って決める

前章で家族信託の目的と内容についての情報が必要であると述べましたが、これは1行でサラッと書けるほど簡単なものではないでしょう。相続人にとっても自分の将来に関わることなので、十分な話し合いが必要です。可能な限り、誰もが納得できる形を模索して家族信託の内容を取り決めるのが理想です。

このプロセスをおろそかにすると、後でトラブルの原因になります。そうなると家族信託本来の目的が果たせなくなる恐れもあります。

(2)信託契約書を作成する

あらかじめ収集した情報に基づいて、信託契約書を作成します。ゼロから作成するとなると大変だと思います。いくつか信託契約書のひな形をダウンロードできるものもありますが、まだ家族信託という制度自体がそれほど一般的ではないため、契約書自体の形式もまだ確立されていません。この点も専門家の手を借りない場合はかなりハードルが高くなる一因ですが、家族信託についての本などを参考にしながら、必要事項に漏れがないかよく確認するようにしてください。

(3)信託契約書を公正証書にする

契約書は当事者が記名押印すれば有効になりますが、その効力をより確実なものにするために公正証書という方法があります。公正証書とは当事者が合意の上作成をすると、すでに裁判で確定判決が出ているのと同じ効力を持っているため、後からその内容について異を唱えたり内容をひっくり返すということは不可能になります。

公正証書の作成は、最寄りの公証役場で行います。そこでは公証人が相談を受け付けているため、公証人と相談をしながら公正証書を作成していくことができます。

(4)信託財産を受託者に名義変更(信託登記)

不動産など名義の概念がある財産を、委託者から受託者へ名義の変更をします。この場合、単なる登記ではなく信託登記の形で名義が変更されるため、その財産が委託者からの信託財産であることが明記されます。

単なる名義変更ではなく信託財産なので、委託者や受益者の権利が侵害されるリスクを減らせます。

(5)金銭を信託するための銀行口座を開設する

受託者は財産の管理を任されたのであり、財産をもらったわけではありません。そのため受託者自身の資産と別枠で管理をする必要があるため、銀行口座も分けて管理するのが一般的です。

信託財産に関するお金の管理をするために、専用の別口座を作ります。金融機関によっては委託者と受託者の名前入りで信託口口座という信託専用の口座を作ることができるところもあるので、もしそのサービスがある場合は信託口口座を開設しましょう。

(6)信託による財産管理の開始

ここまでの流れを経て、家族信託の手続きは完了です。以後は受託者が委託者の意向に沿って財産を適切に管理します。

家族信託手続きの注意点

家族信託手続きを進めていく際に、注意するべき事が2点あります。

(1)信託契約書は公正証書にしておく

信託契約書を公正証書にしておく必要性についてはすでに述べました。「後になってひっくり返されないため」というのが一番の理由ですが、公正証書を作成することには、以下のようなメリットもあります。

・公証人の関与で内容不備などのチェックが期待できる
・不正に改ざんすることができない
・再発行ができる

いずれも家族信託に限らず公正証書が持つ普遍的なメリットですが、どれも家族信託の内容をしっかりと確定させたい方にとって安心感のあるものだと思います。

1つ目の公証人関与は、専門家に依頼することなく自分で手続きをする場合には特に意識したいメリットです。ここで少なくとも一度、公証人という専門家が関与することになるため内容不備のリスクを軽減できます。

(2)信託の「30年ルール」に注意

家族信託手続きに必要な情報の項目に信託期間というものがありました。これは任意で決めることができる期間ですが、家族信託には法的に「上限」があります。その上限とは30年で、家族信託が発効してから30年後以降に受益者となっている人が亡くなると、その時点で家族信託の効力は自動的になくなります。

これは「30年ルール」と呼ばれており、家族信託の効力をどこまで及ばせたいかという検討をする際には知っておくべきことです。